トルコ株

トルコリラショックが話題!トルコの経済と財政を分析する。

トルコリラショックが話題!トルコの経済と財政を分析する。

 

「トルコ」といえば何を思い浮かべるでしょうか?

トルコ行進曲、カッパドキアなど有名なものがたくさんありますね。

 

他にも最近ではトルコリラショックが話題に上がりました。

この点は別途為替の記事を書きますのでそちらで取り上げますが、

「株式投資」の観点ではトルコは投資対象になり得るのでしょうか?

 

実際にトルコの個別株式は国内からでは投資はできず、

投資するのであれば投資信託となります。

FXにおいてですが、トルコリラは人気通貨となっています。

 

今回はトルコへの「投資」を考える上で、

トルコという国のファンダメンタルな部分を分析していきたいと思います。

 

トルコの一般概要・財政収支

トルコと聞いても、割とどのような国なのかイメージがつきづらいのではないでしょうか。

トルコのはどこにあるのか?

 

トルコの地理

参照:外務省

 

ロシアの近く、シリア、イラクの隣ですね。

でもいまいちこれでもよくわかりません。

日本からどれくらい離れているのでしょうか?

 

日本とトルコの地理的関係

 

中国とモンゴルを越え、カザフスタン、ロシアを越えようやく辿り着くのです。

イスタンブールまで直行便で12時間以上掛かるのです。

 

遠いですが、投資の世界ではトルコの通貨など簡単に売買できるのですから、

すごい時代ですよね。

以下は外務省が出しているトルコの一般概要です。

 

1 面積 780,576平方キロメートル(日本の約2倍)
2 人口 79,814,871人(2016年,トルコ国家統計庁)
3 首都 アンカラ
4 民族 トルコ人(南東部を中心にクルド人,その他アルメニア人,ギリシャ人,ユダヤ人等)
5 言語 トルコ語(公用語)
6 宗教 イスラム教(スンニ派,アレヴィー派)が大部分を占める。その他ギリシャ正教徒,アルメニア正教徒,ユダヤ教徒等。

 

日本の2倍の国土がありながら人口は8999万人と人口密度は日本より低いですね。

首都は実はイスタンブールではなくアンカラです。

以下はトルコの簡単な歴史です。

 

年月 略史
1299年 オスマン帝国成立
(最盛期にはバルカン,アナトリア,メソポタミア,北アフリカ,アラビア半島にまで及ぶ大帝国に発展)
1919年~1922年 祖国解放戦争
1922年 オスマン帝国滅亡
1923年10月29日 ローザンヌ条約に基づきトルコ共和国成立(初代大統領 ケマル・アタテュルク)
1952年 NATO加盟
1960年 軍による「5.27クーデター」
1961年 民政移管
1971年 軍による「書簡によるクーデター」,政権交代
1974年 キプロス進攻
1980年 軍による「9.12クーデター」
1983年 民政移管
1999年 EU加盟候補国に決定
2005年 EU加盟交渉開始

(引用:外務省

オスマン帝国など、小学校の歴史などで習ったのではないでしょうか。

クーデターも多く、2016年にはイスタンブール空港でもテロが起こるなど、

悪い側面で話題になることが多い国です。

 

 

トルコの財政も見ていきましょう。

 

トルコの財政収支とインフレ率

参照:日本生命

 

少しトルコリラの話もしますが、

2018年に入り、トルコリラは米国の金利上昇や政治不安(大統領過激発言)などで続落しています。

中央銀行と大統領の目線が合っておらず、利上げの実行には至っておりません。

 

財政収支も長きに渡りマイナスが継続しており、インフレ率も10%台で推移しています。

財政収支がマイナスなのは、国営企業の投資拡大と国営企業をひたすら優遇してきた結果ですが、

2001年よりIMF主導の民営化により改善してきました。

 

しかしリーマンショックの影響をもろに受け、経済成長は減速、

これを受け、政府は景気対策にて資金を投じ続け、これが財政赤字を拡大し、

バラマキ政策と非難されている実態があります。

 

トルコに投資をする場合は、

今後も米国金利の動向やイランの核合意離脱の影響(トランプ政権の動向次第)は常に情報収集していく必要があります。

以下の項目からは「トルコの実態経済」について着目し、ファンダメンタル分析をしていきます。

 

トルコの現状、GDP成長率の推移を把握してみよう

まずはトルコの1990年からのGDPをみていきましょう。

 

トルコのGDPと経済成長率

 

非常にボラティリティが激しいですね。

トルコの経済は、1990 年代は金融・財政構造に問題があり、(アジア通貨危機、大地震など)

「ジェットコースター経済」と評されるほどでした。

 

2000年台前半は「経済危機」「構造改革」と大きなイベントを乗り越え、

アジア新興国に劣らない経済成長を遂げてきました。

2008 年のリーマンショックでマイナス成長に陥りましたが、

2009年以降は内需の拡大が進み、健全に経済成長し始め、

2011年はなんと12%に迫る水準でのGDP成長率を誇りました。

 

しかし経済の加熱がススに、民間消費が落ち込み、経済成長率は急激に2%台まで落ち込みましたが、

またも内需の回復により経済成長を4%前後で推移させています。

そんなトルコですが、一人当たりGDPは現在どのくらいなのでしょう。

新興国経済の経済成長「ステージ」を測るには一人当たりGDPの数値を使用します。

 

トルコの1人あたりGDPの推移

 

すでにトルコの一人当たりGDPは10,000USDを越えています。

以下の図は2017年までは一人当たりGDPの実績、

2018年以降はIMFの予測値です。

 

2015 2016 2017 2018 2019 2020
10,914.88 10,817.41 10,512.00 11,114.26 11,602.50 12,224.70

 

一人当たりGDPの水準としては、ちょうど「中所得国の罠」(1万ドル程度)の真っ只中にいます。

IMFの予測では2020年まで成長し続け、それ以降も継続して経済は伸びていくとされています。

 

「中所得国の罠」

多くの途上国が経済発展により一人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することを指す。

引用:内閣府

 

国の経済成長の順番としては、

農林水産業から始まり、製造業に転換、最終的には知識・技術集約型のサービス業がメインとなってきます。

 

トルコは現在どのような産業となっているのでしょうか。

これは後の項で述べますが、まずは、経済成長に必須の、トルコの人口推移を見ていきましょう。

IMFのトルコが経済成長が続く根拠を確認していきます。

 

トルコの人口は今後も増加する?人口推移、人口ピラミッドを考察

今後の経済の動向を予測するに当たって、最も重要なのは「人口」になります。

人口が増えなければ内需は拡大せず、消費活動、労働活動が活発化せず経済は落ち込んでしまいます。

 

さて、トルコの人口推移を見ていきましょう。

 

トルコの人口推移

 

トルコの人口は2017年末で8000万人を越えました。

一直線に人口数は上昇していますね。

今後もこの上昇は進むのでしょうか?

 

そしてこの人口は経済成長に本当に貢献する構造となっているのでしょうか。

トルコの人口ピラミッドを見ていきます。

 

トルコの人口ピラミッド

 

若年層に向けてボリュームゾーンが平均的に大きくなっています。

本来であれば、若年層に向かってボリュームゾーンが広がっていくのが理想です。

 

34歳以下のボリュームが4%台となっていて、

今後も経済成長が継続するというIMFの予測はなかなか説得力があります。

 

現在中所得国の罠の水準に入っているトルコですが、

労働集約型の労働環境を知識・技術集約型へと方向転換が成功するのかどうかが、

今後の重要な指標になってきます。

次に、先ほども触れたトルコの産業構造を見ていきましょう。

 

トルコのGDPを支えているのは?

トルコの産業割合を見ていきましょう。

サービス業(59.2%),工業(24.3%),農業(4.9%)(トルコ財務省)

(引用:外務省

 

上記で新興国が発展する順番としては、

農林水産業→製造業→サービス業と産業転換が進むのが通常という話をしました。

トルコの産業割合を見てみるとすでにサービス業までシフトがかなり進んでいます。

 

そして、労働集約型から知識・技術集約型への転換が「中所得国の罠」を突破するには必要ですが、

サービス業の比率をみる限りではこちらも進んでおります。

 

IMFが継続してトルコの経済成長は進むと予測値を出していることにここでも説得力があります。

トルコの製造業に関しては、日系企業、トヨタなどを始めとした外資企業の進出が進み、

資本集積型」の自動車産業、「民営化」の進行に伴う鉄鋼などの重工業へと幅広く発展しています。

 

最後に、これも経済成長を左右する、

貿易相手国に依存がないかを見てみましょう。

 

トルコの輸出入先・他国に依存性はあるのか?

貿易相手を見る理由としては、他国にバランスよく取引をしていれば良いのです。

 

しかし、先に解説したブラジル、その他タイなども中国依存が大きく、

中国の経済が傾いたら大打撃を受けることを意味します。

トルコはどうなのでしょうか、詳細を見ていきたいと思います。

以下はトルコの貿易を占める主要な輸出入産品と貿易相手国となります。

 

8 主要貿易品目

(1)輸出 自動車・部品(13.9%),機械類(8.7%),貴金属類(8.5%),ニット衣類(6.2%)

(2)輸入 機械類(13.7%),鉱物性燃料(13.7%),電気機器(10.1%),自動車・部品(9.0%)

9 主要貿易相手国(トルコ経済省)

(1)輸入 中国(12.8%),ドイツ(10.8%),ロシア(7.6%)…日本(2.0%,第12位)

(2)輸出 ドイツ(9.8%),英国(8.2%),イラク(5.4%)…日本(0.3%,第62位)

(引用:外務省

 

輸出、輸入双方で自動車産業が活躍しています。

機械類を輸入し、完成品を他国に輸出していることがわかりますね。

 

実は、内容を見てみるとトルコはまだまだ「生産」のための、

付加価値の高い」部品や周辺機器などは輸入品への依存が高いのが特徴であり、

今後の課題と言えますね。

 

トルコは地理的に巨大市場・欧州に近く、

そのことが反対に災いして、トルコの欧州メーカー組立工場からの脱却に足踏みをしている状況です。

 

ちなみに輸入相手国は中国、ドイツ、ロシアと続き、

今後経済減速が懸念される中国が最も大きい取引量になっているのは気になるところですが、

ドイツが入っているのは安心ですね。

 

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輸出はドイツ、英国が大部分を占めておりこちらも安定している先進国を相手にしているので、

安心感があります。

 

この記事のまとめ

トルコのファンダメンタル分析を実施してきました。

IMFが予測している通り経済成長は数値だけをみると説得力がありますが、

政府の政策(アメリカ大統領トランプの動向)など、

別の側面もFXで投資をするのであれば日々の動向を逐一チェックしなければならない状況にあるのが現在のトルコです。

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