投資環境として魅力的なフィリピンの現状と株式市場の魅力度について考察する
「フィリピン」といえば暑い国で海が綺麗、セブ島に旅行にいく観光客はとても多いですよね。
今後も経済成長が見込まれ、注目されているフィリピン株式市場ですが、株式投資で大きなリターンを得るにもまだ間に合うのでしょうか?
近年、フィリピン不動産も加熱を見せましたが、すでに不動産価格は高止まりしています。
今回はフィリピン株式投資を実行するにあたり重要な情報についてお伝えしていきたいと思います。
フィリピンという国と株式市場のファンダメンタルズ分析
フィリピンのファンダメンタル分析のポイントは以下の通りです。
- ドゥテルテ大統領はフィリピン国内で特に治安が悪化していた地域の治安を改善させたことが評価され2016年に大統領に就任。
- 2015年〜2016年の間に投資や個人消費など内需が拡大し景気が加熱、輸入の増加により経常収支は悪化。
- 2018年〜2019年にかけて経常収支の赤字は改善し金融収支と合わせた国際収支は黒転
- フィリピンのインフラはASEAN主要6カ国の中で最も低い水準であり早急なインフラ整備が必要不可欠となっている。
- フィリピンの経済成長率は現在6%台をキープ。
- 出稼ぎ労働者の海外送金、国内コールセンターの拡充、治安改善による海外企業呼び込みが功を制しており、成長が進んでいる。
- 一人あたりGDPは3,000USDほどとなっており「中所得国の罠」まではまだまだ遠く、労働集約型産業で成長が継続する。
- 一貫して毎年人口が増加しておりIMFの予測では2023年には1億2000万人に届くかどうかという数字になっていいる。
- 人口ピラミッドも理想的でありさらなる経済成長が見込まれる。
- フィリピンは現在は人件費の安さから製造業が中国などからシフトしてきており、しばらくはこの製造業の比率が上昇する。
- フィリピンは輸出入ともに安定した先進国向けに貿易相手がおり、非常に安心できる構造にある。
これらの根拠の詳細を、以下の記事では紹介していますので参考にしてみてくださいね。
過激発言が目立つドゥテルテ大統領が牽引するフィリピンの経済・政治・財政の総合ファンダメンタル分析。内需で安定的に成長していく国への株式投資も選択肢の一つ?
フィリピンペソの為替リスクの考察
実はフィリピン・ペソの歴史は私達の通貨である日本円よりも古く、1852年のスペインの植民地時代に誕生しました。
その後、米国⇒日本⇒米国の占領時代を通して紙幣は幾度となく変遷しましたが、
ペソは現在にいたるまで、その名前を残しております。
日本円や米ドルのように市場原理に任せてレートが決定する通貨もありますが、
新興国ではある程度の変動は許容するも、ある一定の範囲で抑える管理フロート制度や、
相場を固定する固定相場制を敷いている国が存在しています。
フィリピンも殆どの新興国と同様に管理フロート制度をしいており、
通常時においては市場原理に価格決定を任せる仕組みとなっていることが分かります。
以下の記事では、そんなフィリピンペソの為替リスクについて考察しています。
フィリピン株式市場の有望銘柄はどれか?
以下の記事ではいよいよ本題のフィリピンの株式投資について、
フィリピン市場平均全体の見通し、
個別銘柄でおすすめのものがあるのか、どこの証券会社で何を買えるのか?
という点について説明していきたいと思います。
まずはフィリピンの市場全体の様子を日本でいうTOPIXにあたる、
フィリピン総合指数の動向と指標をもとにみていきましょう。
フィリピンの株式市場は260銘柄が上昇しておりますが、時価総額は519億ドルとタイ、マレーシアの半分、日本が3.3兆ドルということを考えるとまだまだ規模は小さい株式市場であることがわかります。
フィリピン総合指数のここ10年の値動きをみていきましょう。
リーマンショック以降堅調に右肩あがりで推移していましたが、2014年のチャイナショック・資源価格の時から、
この約4年間足踏みしているのが分かります。
一方、フィリピン株全体のPERは18倍、PBRは2倍と若干割高めとなっています。
フィリピン経済はぶれはあるものの平均7%程度の成長率を誇り、
尚且つ株価が停滞していた2016年の日経新聞にも以下のように、
フィリピン企業の利益の伸長が伝えられていることから、
フィリピンの大手複合企業 「Asia300」に含まれる複合企業上位10社の2016年7~9月期純利益が前年比29.36%増となった。
ドゥテルテ新政権下で持続的な経済成長が加速していることがうかがえる。
フィリピン複合企業上位10社の7~9月期純利益は前年比29.36%増、売上高は7.13%増にそれぞれ拡大した。
(引用:日経新聞)
経済・企業収益が不調というよりは、
2010年代初頭に過剰な値上がりをした株式市場が調整をしていると捉えたほうがよいでしょう。
時が経てば経済と企業収益の拡大に伴って、再び上昇することは間違いないでしょう。
その上で、有望な銘柄を紹介していますので参考にしてみてください。
まとめ
フィリピン株は2010年代前半に高騰したことによって割高となり、
成長力は抜群であるにも関わらず現在は調整の局面を迎えています。
市場平均に投資を行うのであればETFがおすすめですが、
個別銘柄取引はアイザワ証券しか取り扱いがなく現地・国内・為替手数料が、
非常に高く最初から大きなハンデを背負っていると言わざるをえない環境となっています。
個別銘柄としては、やはり財閥系の企業が魅力的で経済成長・人口増加を考えると、
最大の不動産会社であるアラヤランドなどがおすすめできる個別銘柄となっています。