原油価格復調で息を吹き返したロシア株式市場は割安だけど魅力的なのか?
「ロシア」といえば、
2018年の日本代表がベスト16まで進んだワールドカップの「開催地」という印象が強いのではないでしょうか。
非常に気温が低い地域で、体を温めるために水を飲むかのごとく「ウォッカ」を飲む文化がある印象が私には強いです。
ロシアといえば日本の45倍の国土を持ち、石油資源大国です。
ロシア株式投資を考える前に、株式投資は必ず投資対象となる国をマクロに分析する必要があります。
株式市場、株価推移、為替動向なども然り、正確に分析した上で投資判断をしていく必要があります。
この記事では、それらを含むファンダメンタル分析、為替リスクについて、そして有望な株式銘柄を紹介していきます。
ロシアという国と株式市場のファンダメンタルズ分析
ロシアのファンダメンタルズ分析のポイントは以下の通りです。
- プーチン大統領は2000年〜2008年の4年間に加え、2012年〜2018年の約6年間大統領に就任しており支持率は国民の80%を超えている。
- 2024年までプーチン氏の任期は継続予定。
- ロシアは2015年度にかけて連邦政府の歳入は減少、「社会保障費」が増加した結果歳出拡大した。
- 2017年度は原油価格が回復し、歳入も持ち直し、2019年は黒字に回復
- ロシアは1990年代にマイナス成長を繰り返し混乱に陥り2000年代には構造改革に踏み込み、資源高の時流に乗りロシアのGDP成長率は5%以上を記録。
- 2016年以降にようやくプラス成長を達成したが、どうしても資源価格に依存する傾向にある。
- ロシアの一人当たりGDPはすでに10,680USDと、まさに中所得国の罠である10,000USDに突入している。
- ロシアは人口減少も進んでおり、株式投資をするには資源価格とロシア経済があまりにも連動している点がデメリットに働く。
上記の詳細は以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
ロシアルーブルの為替リスクの考察
ロシアの通貨ルーブルは現地語で「それなりの価値のある銀塊」という意味です。
現在のロシアルーブルは1991年のソビエト連邦崩壊後、
1992年7月よりロシア中銀がルーブルの中央銀行公表レートをは発表してから今日にいたります。
投資はある一定の変動を許容しつつ、相場を政府・中銀が管理する管理フロート制を敷いていました。
その後、現在のロシアが旧ソ連の負債を引き継いだことにより財政が破綻状態となりルーブルのレートは急落し、
1992年7月の1ドル=125.26RUBから、1997年12月には1ドル=約6,000RUBまで急落しました。
そして1998年に遂に1000分の1にデノミを行い1ドル=6.2RUBで再出発をきりました。
デノミというのは通貨の切り下げのことで、インフレが進みすぎて通貨価値が暴落した場合に、
現在の1000円で何も買うことが出来ないという事態になります。
その為、1000円を新しい円では1円にしますと発表するのです。
そして2014年11月10日に変動相場制への移行を発表して現在にいたります。
現在のレートも1ドル=67RUB程度までまた1998年から10倍程度まで通貨価値が下落しています。
今後の見通しについては、以下の記事で詳しく触れていますので参考にしてみてくださいね。
ロシア株式市場の有望銘柄はどれか?
ロシア株は経済と財政の不安定さから正直投資先として魅力的ではないですが、
2017年まで売り込まれていたということもあり現在割安な水準となっています。
その為、短期的には適正水準に戻る過程での利益を取れる可能性がありますが、
追加制裁等の地政学リスクの悪化には注意を払う必要があります。
個別銘柄については資源会社は資源価格による変動が激しくも、通信会社であるモバイルテレコムズは売上・利益共に順調にのばしており、現在割安ということもあり、
チャートの形をみて購入する機会を伺うレベルのものも存在しています。
さらに詳しくは、以下の記事をご参照ください。
成長率は低く魅力度は低いロシア株式市場への投資!見通しは明るくないが割安な株価で短期的な値上がり益を見込んだ投資は可能?
まとめ
ロシア株についてまとめてきました。
個別銘柄をじっくりと検討すれば、有望な株式銘柄は市場に存在します。
経済・財政の不安定さというリスクを織り込みながら、投資を検討していきましょう。